平成17年度
青少年健全育成協議会
皆の行動で「安心できる、安全なまち」を築きましょう
 
小園自治会

子どもたちが安全で安心して暮らすために
人権問題講演会


 人権問題講演会“子どもたちが安全で安心して暮らすためにできること” 2月27日(月)の午後、綾瀬市役所にて人権問題講演会が開催されました。講師は、特定非営利活動法人CAP凹凸神奈川の3名の方々で、参加者は、学校関係・自治会関係等年齢も様々でした。この日のテーマは、人権を侵害するいじめ、虐待などのあらゆる暴力から子どもたちを守るための[子どもへの暴力防止プログラム(CAP)]にふれ、子どもたちの人権について、あらためて考えることでした。
 CAPとは、Child Assault Preventionの頭文字をとったもので、子どもへの暴力防止プログラムの略です。子どもたちが、暴力から逃れ心の安定を取り戻すために考え出されたものです。1995年から講座が開設され、綾瀬市では早くからCAPに積極的に関わって子供たちを守る活動をしています。子どもへの暴力とはどんなものでしょうか?・・・身体的・性的・心理的虐待それに子どもの面倒をみない、夫婦間でのドメスティックバイオレンスを子どもに見せることなど様々な事柄が暴力になります。勿論、言葉の暴力も重要視されます。2000年に成立した“児童虐待防止法”の施行により相談できる窓口が増えたため、身近で起きている虐待等が、多くの人から問題視されるようになり、虐待の早期発見につながっています。しかし、まだまだ子どもたちの権利は守られていません。CAPは、学校や市・地域などいろいろな場所で子どもたちや大人に“子どもたちの持っている権利”を教えています。その権利とは、“安心・自信・自由”のことです。子どもたちは社会的な力を持っていませんし、知識や情報を与えられていません。支え合う仲間もないので、被害を受けやすいのです。では、防止方法はあるのでしょうか?
 CAPでは、具体的に、次の3点を簡単な劇を通して教えています。NO.(いやと言ってもいい)・GO(逃げてもいい)・TELL(誰かに相談しよう)です。子どもは、自分が非力だと思い暴力のことを誰かに話してはいけないと思っていますから、信頼できる大人には相談してもいいのだとわかりやすく説明していきます。さらに自分は、無力な存在ではなく、自らを守る力があるのだということを教えて、「私・僕は〜することもできるんだ!」と行動の選択肢を増やしてあげるのです。でもそれを家庭ではどのように示せばいいのでしょうか。大人がよく口にする“気を付けなさい!”とは、何をどのようにするのかを示してあげなければ伝わりません。知っている事(知識)が使えるように例を挙げて考えさせましょう。知らない人とは?を例にとってみても、大人と子どもでは、定義が違ってきます。子どもにとって優しそうな笑顔の人は、いい人かもしれません。怪しい格好や行動の人を悪い人と認識している場合もあるからです。親子・先生と生徒・兄弟など様々なパターンでの対話の場を設けて何が怖いか、事件に遭遇してしまった時どうすればいいのかを自分で考えさせることが大切になります。
 身近に小学生等の子どもがいる場合とすでに手を離れてしまっていて他人事に感じてしまう世代とのギャップもありますが、地域として防犯などに関わる機会が増している昨今ですから、防犯の視点を踏まえて子どもの安全に目を向けることで、大人の関心が子どもの安心に結びつくと思いました。地域でできることが何か、子どもひとりひとりが僕だってできると頑張れることをみんなで教えてあげたいものです。
 子どもの連れ去りや暴力への対抗策の一つとして、“大きな声をだそう!走って逃げよう!”があります。声は、キャーではなくて、ウオーとお腹から低い声を出します。唸るような大声には、周りも気が付くし、相手も驚くはずです。日頃から、練習しておくといいのですが、家庭で親子で試してください。今回のCAPのワークショップに参加した方々は、講演会の形式が、隣の方とのトークタイムを設けながらコミュニケーションを図る手法でしたので、戸惑いつつも楽しい時間の共有になったのではないでしょうか。大人ですら、初対面の人との会話は難しいものです。子どもが大人と自然に話せる状況は一方的では作れません。学校と地域もそれは同じです。先々を見据えて継続できる活動を模索する時期を迎えたのだと感じました。暴力や犯罪から子どもたちを守って、誰もが安全に暮らせる地域は理想ではないはずです。

(独り言)“大人は大きいしすぐ大きな声を出すし怖い”と感じている子どもが多いということを再認識しました。“言葉による暴力”を使ったことはないか?大人の視線で物事を判断していないか?と反省した実のある内容でした。

リポート 川居



HOME