令和4年度
 小園自治会
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小園自治会

防災・気象情報と取るべき行動!
令和4年度綾瀬市防災シンポジウム
令和5年1月14日

 
 令和5年1月14日(土)9時30分から綾瀬市文化会館大ホールで、令和4年度綾瀬市防災シンポジウムが開催されました。主催は綾瀬市自治会長連絡協議会で綾瀬市役所(危機管理課)と共催です。
 
今年は2部構成とし1部は横浜地方気象台防災管理官大矢徹氏による講演「風水害から身を守る」、2部は「綾瀬市での防災の取組み〜今とこれから」をテーマとして綾瀬市長や地域防災組織代表者によるディスカッションの形式でした。開会に続き古塩市長・鈴木自治会長連絡協議会会長挨拶がありました。

 

第1部 「風水害から身を守る」 

 講師:大矢徹氏(横浜地方気象台)

 初めに講師の大矢徹氏より自己紹介があり、平成元年(1989年)に気象庁入庁、令和4年
(2022年)から現職(横浜気象台、防災管理官)勤務とのことです。
今回のテーマ「風水害から身を守る」は気象庁や自治体から発表される注意報・警報などの意味や活用方法などの理解が深まり、自身や家族・隣人などの身を守る事に役だてば幸いとのことです。以下の3点について詳細な解説がありました。
1. 近年の大雨事例や傾向
2. 防災気象情報の種類・発表タイミング
3. 警戒レベルと非難行動

1,近年の大雨事例や傾向
〇毎年、全国のどこかで大雨による災害が発生している。
〇年間降水量は大きく変わっていないが、時間当たり50mmを超える降水量の激しい雨の回数は増えている。
〇強い勢力のまま上陸する台風が増えている。日本近海の海水温の上昇が原因

2,防災気象情報の種類・発表タイミング
〇災害に結びつくような激しい気象現象が発生する可能性があるときに発表される。
〇大雨・雷・水害・土砂・河川などの注意報、警報が災害発生予想の1週間前程度から発表される。
〇早期注意情報:19号台風に関する神奈川気象情報(横浜地方気象台発表)を例に気象情報の変化が表形式(時間毎)で説明があった。
〇大雨警報発令時:危険度が高まっている場所に『キキクル』活用の有用性が説明された。被害状況とキキクルの予測が良く合っているとのこと。
〇土砂災害警戒情報:命に危険がある土砂災害が発生してもおかしくない状況になったときに、対象となる市町村を特定して警戒を呼びかける情報で、都道府県と気象庁が共同で発表する情報とのこと。(警戒レベル4に相当)
〇指定河川洪水予報:命に危険を及ぼす危機が迫っている場合に気象庁と国土交通省または都道府県と共同で発令される。神奈川県では以下の河川が対象となる。
 ⇒ 鶴見川、相模川下流・・・・国土交通省と気象庁
 ⇒ 相模川中流、酒匂川・・・・神奈川県と気象庁
〇特別警報の種類と発表基準:警報の発表基準をはるかに超える大雨等の場合に「特別警報」が発表される。最大級の警戒を呼びかける。
〇記録的短時間大雨情報:その地域にとって稀にしか観測しない雨量が予測される場合に発令される。 神奈川県の発表基準は1時間雨量100mm以上

3,警戒レベルと避難行動   
〇「居住者がとるべき行動」、「行動を促がす情報」について、災害発生のおそれの高まりに応じて5段階で発表される。レベル1〜2(気象庁発表)、レベル3〜5(市町村発令)。レベル4(災害のおそれ高い)発令時には全員避難となる。レベル5は、既に災害が発生している可能性があり、命の危険が迫っている。
〇災害の発生メカニズム:素因(地形、地質、気候、人口など)と誘因(大雨、暴風、大雪など)の掛け算で災害発生する。
〇立ち退き避難:地域指定の避難所や親戚・知人宅などの安全な場所へ避難することを言い、頑丈な建物の場合には浸水予想より高い階への垂直避難なども有効。
〇緊急安全確保:避難遅れや安全に避難できない場合に、命の危険から身の安全を確保する行動で相対的に安全な場所へ移動する事を言う。

4,補足説明(有用情報の取得方法、キキクルの活用方法) 
〇気象庁HPから情報取得:トップページで「防災情報」を選択。自身の街の防災情報を選択して表示することができる。
〇キキクル:気象庁HPから「キキクル」を選択し、上記同様に自身の街の大雨・洪水や土砂災害警戒地域を重ね合わせて表示が可能。有効に利用して欲しい。

第2部「綾瀬市での防災の取組み〜今とこれから」
 進行役:岡崎勝司氏

 登壇者は岡崎勝司氏(神奈川県危機管理アドバイザー)、古塩綾瀬市長、鈴木定公氏(自治会長連絡協議会会長)、渋谷鋭氏(早川自治会会長)、堤朋子氏(地域防災リーダー、寺尾南自治会会長)及び第1部講師の大矢氏の6名。

初めに岡崎進行役より『ディスカッションを通して、自主防災組織などに気付きがあれば良い』旨目標が示された。続いて古塩綾瀬市長から市の災害時対応について説明がありました。

1,災害時の対応 
〇警戒レベル(1〜5)に応じた対応となる。
レベル2で避難所開設の準備が始まり、レベル3で災害警戒本部(市内15カ所の雨量が設定レベルを超えた場合)と避難所開設、レベル5で市長を本部長とする災害対策本部設置、避難対象範囲の見直し確認を実施している。
〇情報収集には契約済の(株)ウェザーニュース社からも情報収集を実施。
〇市職員は警報発表の可能性がある場合には職場や自宅で待機し、突発的な事案発生に対応するとのこと。(本件は市消防本部と連携する)
〇避難指示は「Lアラート」(災害情報共有システム)によって避難所への連絡やメディア(テレビなど)を通して発表しているとのこと。

2,平常時の対応 
〇自助、共助、公助の意識を高める取組みを展開している。
 ⇒防災意識の高揚  <今回の防災シンポジウムなど>
 ⇒小学校社会科の授業で講和や中学生への防災講座
 ⇒自治会組長研修会  など
〇地域防災リーダーの育成(現在142人)や自治会での自主防災訓練に職員派遣(心肺蘇生法、AED使用方法説明など)
〇全ての一時避難所(小中学校)にマンホールトイレの整備、避難所のWiFi環境整備、空調整備を進めている。
〇複合災害の対応として資機材を収納する防災拠点の新設・『ドローン』を活用し市内家屋の屋根の災害状況を把握し、速やかな「罹災証明」発行に役立てる。
〇防災計画を中心に安全安心な地域つくりを進めている。自助、共助、公助の力を
合わせて安全安心な暮らしを実現させましょう・・と結ばれた。

3,登壇自治会長から
早川自治会長 渋谷氏
〇当地域での大雨・大雪災害の可能性はあるか?
〇南岸低気圧は季節的にこれからが本番だが注意する点はあるか?
寺尾南自治会長 堤氏
〇当地域は坂や河川が多くある。移動に危険が多く、高齢者には困難な場合もある。避難所避難(移動)は最後の手段と考えている。
自治会長連絡協議会会長 鈴木氏
〇綾瀬市には在住外国人が多く、種々の点で避難所避難は難しいのではないか。
⇒市長・大矢氏より・。過去の事例から大雪・大雨などは今後も発生すると思われる。立退き避難が困難な場合は垂直避難などもあるが、命の危険回避には共助・公助も遠慮なく活用して欲しい。市役所へのホットラインなどを活用して欲しいとのこと。

4,今後の対応・課題など・・・渋谷・堤区長から現況報告と課題説明
〇区内に目久尻川があり、約三割の住民が沿岸地域居住。時間50oまでの河川改修は完了は承知している。想定以上の雨量発生の可能性・対応は?
〇昨年、運営委員研修静岡県防災センターを訪問。興味深く参考になった。
 ⇒大矢氏より・・線状降水帯発生により雨量が50oを超えることはあり得る。積乱雲の寿命は30分程度と言われるが、これが連続すると線状降水帯となる。近年の気象状況から当地域でも発生の可能性はあるとのこと。
 ⇒市長より・・・目久尻川流域は過去にも浸水の被害があり、対策として早園小学校下側の雨水パイプを太くする改修が完了済と報告がありました。
 ⇒大矢氏より・・線状降水帯の動画が紹介され、当地域も発生の可能性ありとの事。

5,岡崎アドバイザーより綾瀬市防災への助言
 今般のディスカッションで当地域の防災への関心の高さを評価していました。
 福沢諭吉の言葉紹介、市と市民に対し以下の助言がありました。
  市の役割・・・・市民をリード
  市民の役割・・・助けられる側から助ける側へ
 自助、共助、公助を再確認して欲しい。
 登壇者から静岡防災センターの話があった。神奈川県の総合防災センター(厚木市)の紹介と案内があった。是非訪問してくださいとのこと。

6,質疑応答(聴講者からの質問)
  落合自治会防災責任者、天台地区の主婦(市に3年在住)から『市の防災組織への入り口が分かりにくい。もっとPRして欲しい。』などの意見・質問があり、市長と大矢氏が回答。
  ⇒市の防災HPや危機管理活動PRを促進させる。地区の長に相談して欲しい。

聴講して
 今年度の防災講演会は防災シンポジュームとして、2部構成でした。
 1部で現役の横浜気象台防災管理官の大矢氏より気象庁や自治体から発表される注意報・警報などの解説、2部では神奈川県県防災アドバイザーの岡崎勝司氏を進行役として市長・住民代表者が登壇者となり地域の問題点・課題が議論されました。警報の意味や取るべき行動が理解できた、また地域の特性や生活に密着した議論で参加者は興味深く聴講したと思われました。

 親睦と交流を深め、明るく安全で安心な地域をつくりましょう!


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