防 災
皆の合い言葉「地域は地域で守る」

自宅が避難所に移っただけ!
「避難所生活、主役はあなた=v
〜誰かがやるは、誰もやらない。今できることを考える〜
綾瀬市防災講演会

平成31年2月17日(日)

 平成31年2月17日綾瀬市文化会館小ホールにおいて「避難所生活、主役はあなた=v〜誰かがやるは、誰もやらない。今できることを考える〜のテーマで綾瀬市防災アドバイザー、株式会社危機管理教育研究所の国崎信江氏を迎え防災講演会が行われました。参加された自治会役員など約200名は真剣に講演を聞き入っておりました。小園自治会からは地域防災隊をはじめ8名が参加しました。

早園小学校体育館での避難場運営模様(平成30年度) 

 開催に当たり、古塩市長から「避難所生活は被災者であっても、元気な方は積極的に行動してもらえる、意識づけを図ってゆきたい。避難所の質の向上を図るため、災害用マンホールトイレの設置は本年度からスタートさせました。来年度から災害用風呂の導入を進める予定である。」のあいさつがありました。

 最初に国崎氏は熊本地震などの避難場実態報告から始まりました。
避難者は精神的に不安定になり窃盗や性犯罪など頻繁発生しております。ある女子中学生は、昼間は高齢者やけが人の面倒をよく見てくれておりましたが、半面、人目に付かない夜間などに携帯電話を盗み、雨水やトイレに投げ捨てるなどして、ウップン晴らしを行っていました。心底から話せる相手が居なかったため心が折れてしまった≠スめの行動でした。避難所生活がひと段落するとペット同伴の世帯に対して、鳴き声がうるさい、臭いなどの罵声を浴びせて、去らざる負えない方も出てきました。災害物資に対してもピリピリして、ミカンひとつで喧嘩になることもしばしばです。
ピリピリした避難所生活の実態です。できれば自宅で過ごせるのが一番ですが、全壊などの被害にあってしまった場合は避難所生活を強いられます。

 被災され避難生活になったときは、避難所を自宅と考え、自宅だったら、どうするか≠念頭に置き、避難所で行動することが大切です。自宅が避難所移っただけです。隣近所が助け合って生活するスタイルは変わりません。避難所生活こそ、自助と共助が最も重要です。発災時には公助は期待できません。物理的な災害と精神的な災害、双方に対する対策が必要です。そのためには、隣近所のつながり<共助>が大切です。

次に災害時に期待される対応方法などが紹介されました。 
1. 初動期に最も重要かつ困難なのが安否確認
 ・自分が情報発信する。
  住民は組長へ安否を報告 組長は区長へ 区長は会長 会長は行政へ
 ・リーダーは動くな 情報が入ってくるスキームを構築
2. 避難所等における安全環境の課題
 ・パーティションの設置はプライバシーの確保はできるが防犯上の死角もできる。
3. 仮設トイレの運用
 ・掃除や防犯、段差、雨への配慮
 ・テント型トイレ(要介助者など向け)
4. 大量の情報を機能的に掲示する工夫
 ・日付の表示
 ・日単位に整理する。古い情報はインデックスを付けてファイル化する。
5. 避難所生活での衛生対策
 ・風呂やシャワーの設置と利用ルールの作成
6. 避難所の運営課題 生活に必要な設備の設置方法
 ・洗濯機や手洗い場の給水および排水
 ・利用ルールを決めておかないと住民同士のトラブルになる。
7. 避難所の運営課題 避難所における要配慮者の対応
 ・段差、隔離、設備の使い勝手、医療用電源の確認などの環境対策
 ・食事(アレルギー、流動・離乳食、宗教等)
 ・着替え、オムツ変えなどの生活環境の整備
 ・外国人対応
8. 避難所では住民の自主運営および女性の主体的な参画が重要
 ・避難場運営を円滑にするには男性と女性のリーダーを配置し女性の主体的な参画を目指す
9. 避難所での食事で体調不良になることも
 ・備蓄食材・救援物資を主とした食事は栄養バランスが偏る
 ・避難所では住民による自炊を推進しましょう

 この他に東日本大震災後の被災地で見られた犯罪や初動対応を確実にするファーストミッションボックスの導入、住民と共に行う安全な環境づくり(ゴミ出しのルール化)、自治会が備えておくべものなどの説明がありました。

 被災地を実地体験して得た知識を分かりやすく解説してくれた防災講演会でした。

今も災害時も主役は「あなた」です



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