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最近の国際情勢と日米関係!
2014基地問題講演会


 平成26年2月9日(日)の午後、綾瀬市文化会館小ホールにて綾瀬市基地対策協議会主催の基地問題講演会が、「最近の国際情勢と日米関係」をテーマ行われました。前日の45年ぶりの積雪で開演が心配されましたが、朝からの暖かい日差しが雪をとかし講演会場にはたくさんの人が来場しました。講師は、ハドソン研究所首席研究員の 日高 義樹氏でした。

   


 日高氏は、話のポイントを【アメリカの現状】【日米関係】【国際情勢】に分けて解説しました。

 【アメリカの現状】については、アメリカは現在約1600兆円の負債を抱えていて他国の安全を考える余裕がないこと、またシェールオイルなどが自国で採れるようになり石油の自給率が8割となり近隣国からの輸入をプラスすれば全て賄える状況になったので、中東から輸入していた石油確保のためのシーレーンを守るための艦隊が不要になり、米軍の削減された予算が保険や住宅に使われていることを挙げて、アメリカには戦争の余力がないのが現状であるとしました。さらに、2016年には、米軍が組織改革を行うので部隊の配置場所に変化が起こる、例えば、在韓米軍は完全撤退するなどが考えられるので、日本にもかなり影響がでると述べました。

 【日米関係】では、今までアメリカの核や通常戦力によって日本は守られていたが、今後は間違いなく弱くなること、自国の領土は自国で守れる体制への変化が求められていること、日本の指導者には海外情勢への考慮が欠けていて、日本政府の方向性がよくブレるので、まず信用関係の構築が必要であることを述べました。また、厚木基地関係では、海兵隊や海軍の航空自衛隊が厚木に来るとしたら国際情勢に欠けた経済面だけみた判断ではないか、米軍の引き上げや移転に伴い厚木基地は使われなくなるので、民間空港としての道も考えられるのではないかと述べました。

 【国際情勢】関しては、中国がアメリカの代わりとはなりえないと述べました。理由は中国の経済面では、国民一人当たりの所得がとても低くアメリカなどの先進国と違ってブランドの構築が出来ていないなど内部問題が多々あること、外部面では、近隣諸国で中国系の人々が急増したために脅威や不満がおこりそれが外からの圧力となってくるであろうこと、また、中国軍は遠洋に艦隊を展開するほどの能力がまだ備わっていないのでアメリカのような資源確保政策の実行は難しいだろうと解説しました。さらに、インドは空母艦隊を保有するなど急速に力をつけているなど軍事大国10国の内、中国・ロシア・イラン・インドほか8か国がアジアにあることから、アジアはこれから動乱の時期を迎えるだろうと説明しました。

 日高氏は、わかりやすく日本の置かれた状況を解説してくれました。米軍の再編等で日本の基地は大きく変わるのでしょうか。最近、戦闘機がよく上空を飛んでいます。私たちの問題は、騒音や安全だけでしょうか。基地を抱えている地域のみならず、多くの方が日本を取り巻く情勢に関心をもって考える時代なのではと思いました。

2014/02/09 リポート 川居 



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