地域の話題
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覚えておこう応急手当
応急手当講習会
学校法人湘央学園・湘央生命科学専門学校 救急救命学科主催
平成30年10月4日(木)


 学校法人湘央学園・湘央生命科学専門学校 救急救命学科主催の応急手当講習会が自治会館で実施されました。
 講師は救急救命学科の先生と1年生の学生さん5名(男子3名、女子2名)です。受講者は男性3名、女性3名で殆どマンツーマン指導でした。始めに先生のご挨拶、講師の学生さんの自己紹介に続き1.心肺蘇生法の必要性、2.心肺蘇生法の流れの講義がありました。

講義内容
応急手当とは
 突然なけがや病気の時に、その場に居合わせた人ができる手当(病気や傷の手当等)です。
救命処置とは
 急に倒れたり、窒息を起こした人に対して、その場に居合わせた人ができる応急手当で心肺蘇生法  AEDによる除細動  異物除去です。

 救急車が現場へ到着所要時間は8.5分(119番通報〜現場到着)かかっています。(平成28年)。因みに10年前は6.4分(救急車出動〜到着)
 統計の違いはあるものの、交通事情の悪化、高齢化社会で出動要請の増加等の理由で時間が長くなっているそうです。カーラーの救命曲線によると、心臓停止は3分経過で50%の死亡率、呼吸停止では10分で50%の死亡率、大量の出血では30分で50%の死亡率と言われています。救急車到着まで心肺蘇生法(CPR:胸骨圧迫と人口呼吸)、AEDによる除細動を実施することの必要性を理解しました。

 次に心肺蘇生法の流れを勉強しました。倒れている人を発見したら、まず自分自身の周囲の安全を確認してから傷病者の両肩をたたき反応を見ます。反応が無ければ周囲の人に助けを求め119番通報とAEDを持ってきて貰う指示をします。普段どおりの呼吸が無かったら直ちにCPR(胸骨圧迫30回、人口呼吸2回)を開始し救急車到着まで継続します。

実習内容
 講師の模範実技に続き全員でCPR(胸骨圧迫と人工呼吸)を実習しました。
 胸骨圧迫:組んだ手のひらの付け根で胸骨の下半分を30回垂直に押します。押す深さは5センチ〜6センチ(単一乾電池の高さ)押すリズムは100〜120回/分(“モシモシかめよ”)の速さです。ポイントは“強く、早く、絶え間なく”です。

 人工呼吸:気を失っている人は、舌根沈下(舌が下がって気道を塞ぐ現象)を起こします。そこで頭部後屈顎先挙上法により気道の確保をします。やり方は2本の指で顎を引き上げ反対の手で頭部を後ろへ曲げます。
 人工呼吸の手順:@上記方法で気道を確保 A鼻をつまむ B傷病者の口を自分の口で覆う(感染予防をする) C胸部の挙上を確認しながら1回1秒かけで吹き込む(目安 軽く胸が膨らむ程度) D入らない場合は再気道確保し再度吹き込む それでも入らない場合は2回までとし直ちに胸骨圧迫に入る。
 ダミーを使って全員で実習しました、最初は皆さん苦戦していましたが上手くダミーの胸が膨らんだ際には講師から拍手が起こりほめられていました。

 AEDによる除細動:AED(自動体外式除細動器)は、機器により検出された心電図を解析し、電気ショックが必要と判断された場合必要な電気エネルギーを自動的に充電し電気ショックを行う機器です。AEDの電気ショックで心臓の痙攣を抑えます。AED使用の成功率は1分毎に7〜10%低下すると言われています速やかに使用しましょう。AEDは駅やコンビニ、公共施設等人の多く集まる所に設置されています。小園自治会館では館内に1台玄関外左側壁面に1台設置されています。外のAEDは24時間使用可能です。緊急の際利用できますので覚えておいて下さい。

AED使用の手順 
@ AEDを持ってくる
A 電源を入れる →ふたを開けると電源が入るタイプもある。
B 胸部の確認・準備をする(5項目の確認事項 1、か:乾燥 傷病者の体が汗などで濡れていたら拭き取ります。2、き:金属 金属製のネックレス等を身に着けていたら外します。3、く:薬 湿布薬などが貼られていたらはがします。4、け:胸毛が濃い場合は剃るか抜きます。AEDによってはタオルやカミソリが備えられています。カミソリが無ければAEDの電極パッドを貼り強く引きはがすことで脱毛出来ます。5、こ:こぶ ペースメーカー等の人体に埋め込まれた医療器具がある場合避けます。)確認事項は“かきくけこ“と覚えます。
C 電極パッドを貼りプラグを本体に接続する。
D 解析する(ショック不要時には直ちに胸骨圧迫開始)
E 安全確認をする。全員傷病者の体から離れる。
F 電気ショック実施
G 直ちに胸骨圧迫を実施する
2分後に再度DEFを繰り返されます。AEDは救急車が到着するまでそのままにしておきます。傷病者の状況データーをAEDが保存しており二次救命処置の有力な情報となります。

 此処まで個別実習してきた内容を通して実習します。(倒れている人を発見⇒胸骨圧迫⇒人口呼吸⇒AEDによる電気ショック)
ここまで来ると受講者にもゆとりが出来て動きがスムーズになって来ました。
最後に異物を誤飲して苦しんでいる人から異物を吐き出させる訓練を実習しました。傷病者の後ろから抱え込むようにして、手の拳をへそより握りこぶし一つ上に当て、斜め上方に突き上げるようにして異物が出るか、意識がなくなるまで行います。(意識がなくなった際は、CPRを行います。)
以上で救急救命講習が終了しました。受講者に感想を聞いたところ、「なかなか簡単ではないです、何度も訓練を積み重ね考えなくても出来る様にしなくては駄目ですね」と言っておられました。

実習後に先生から講評があり講師の学生さんは「頑張って良くやりました」とおほめと労いのお言葉がありました。また、受講者からも講師の皆さんに感謝の拍手が惜しみなく贈られておりました。学生さんにとっては4月に入学して5か月学んできた知識と実技のお披露目の場であり、緊張して行った講義と実習指導を無事終えほっとした笑顔が見られました。皆さんの今後のご活躍を祈念致します。最後に講師の学生さんと受講者の皆さんの集合写真を撮って終了しました。

   訓練を積み重ね考えなくても出来る様にしょう! 



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