ご み
燃やせるゴミ50%削減向けて
平成23年までに

リサイクルから地域福祉活動へ 綾瀬市リサイクル協同組合
綾瀬市寺尾釜田1-17-28


綾瀬市リサイクル協同組合の概要と特徴
@設立:昭和60年
 神奈川県で最初の資源分別回収組合
 綾瀬市は、県内最初の資源分別回収導入市町村
A回収業者の集まりの枠を超越
 車輌の保有台数、任意保険の内容、社員数等を内規で規定
 それぞれ専門分野を確立し、問屋機能・処理施設・許可等を所有
B資源のクオリティ管理を行い、安定した資源化を実行
 選別ライン、プレス機、重機等を保有し、分別資源を製品として納品
C分別の啓蒙活動の実施
 小学校の施設見学(総合の時間等)、中学校の体験学習の受け入れ
 小学校の朝会等での説明(天台小学校、綾南小学校等)
D障害者福祉への寄与
 綾瀬市『障害者地域交流事業』へ障害福祉課より依頼を受け参加
 行政委託事業の中での障害者の社会適応訓練実習の受け入れや就労支援を実施
Eその他
 資源回収や障害者支援を県内・県外へリーディング・シティとして発信

環境・教育・福祉の三本柱を一体化して社会貢献へ

 平成18年度よりオレンジ色のカゴを導入し、ペットボトルの分別回収に使用しています。このオレンジ色のカゴは、綾瀬市リサイクル協同組合が分別啓蒙活動の一環として平成15年1月より展開しています『ペットボトルキャップ福祉・教育還元運動』で市内小中学校や自治会、県内福祉施設でペットボトルキャップを集め、障害者が作業訓練として色別に分別した『外側白色、内側パッキン白色』のキャップを原料として使っています。
 この色分け選別訓練は、障害者の機能訓練としても効果があり、綾瀬市発信で県内、他県、他市町村へも紹介しています。神奈川県立瀬谷養護学校では、平成18年度の校内実習にも取り入れられ障害児やその家族からも評価して頂きました。(家族も協力しやすい素材であることや手軽で効果的であることが高評価につながったようです。)秋の校外実習では、この校内実習に参加した障害児の実習を受け入れる予定です。また、キャップ100個と交換しているトイレットペーパーの包装作業も、綾瀬市内や県内の福祉作業施設へ作業として発注し、小さいものですが障害者の職域の拡大にも寄与しています。
 市内の小学校の中には、校内で使用するトイレットペーパーの全てがこのトイレットペーパーというところも数校あります。小学校の先生からは、『子供はいつも何かをしてもらうことが中心、人のために何かをしたり、誰かの役に立ってるという経験が出来てとても良い』『集めたキャップが何かになっているという現実が貴重』という言葉を頂いております。綾瀬市の分別回収では、子供も、障害者もひとつの輪でつながっています。
綾瀬市リサイクル協同組合では、市内の中学校卒業後の障害児の実習や、県内養護学校卒業後の障害児の実習や社会適応訓練、市内、県内在住の障害者の職域の拡大に今後も取り組んで行く予定です。


ゴミを燃やさない努力を展開中

綾瀬市リサイクル協同組合では、『燃やさない努力』をしています。
たとえば・・・
その@
リサイクル・マーク多重表示のヨーグルト容器やアイスクリームカップ、プラ紙混在ものといったものをサーマルリサイクル(化石燃料の代替燃料として利用される)します。
リサイクルのルートに乗らない古着は、ボタンやファスナーを切り取り燃料化へ。ボタンやファスナーを切り取る作業は障害者がカバーしてくれています。
そのA
公園ゴミの中の落ち葉や刈った草は、学校給食の残食のパンやご飯と一緒に堆肥化しています。
週に4回出る公園ゴミと週2回のパンやご飯は、組合内にある堆肥製造機(生ゴミ処理機)によって6ヵ月後には堆肥として使用出来ます。
人口バイオではない自然の醗酵菌による分解・醗酵のため、環境にやさしいリサイクルを展開。障害者の作業施設により、野菜を栽培します。
今後、自治会とも協力し、綾瀬市の可燃ゴミの減量化にも寄与したい考えです。

今後・・・
ペットボトルキャップを単一素材として確立。
せっかく子供達が継続的に取り組んでいるプロジェクトですから再生原料として素材化し、世の中で活躍させたいと思っています。
公園のベンチや遊具、フェンス等にも利用できるルートを開拓し、子供たちの『○○○○○になったらいいな・・・』を実現したいです。
また、販売価値のある素材として確立し、障害者の賃金への還元もしなければならないことです。

市民の皆様の温かいご支援やご理解が支えとなります。
今後とも宜しくお願い致します。


小中学生が集めたペットキャップから地域福祉活動への展開

 

☆ ペットボトルキャップ100個とトイレットペーパー1個交換
 平成14年1月15日発行「広報あやせ」にて、市民向け分別意識の啓蒙活動の一環として『綾瀬市リサイクル協同組合では、ペットボトル100個とトイレットペーパー1個を交換いたします。市民の皆様のご協力をお願い致します』という依頼文を掲載したところ、市民活動、サークル活動等個人あるいは自治会の取り組みとしても定着した。中でも、小中学校の収集の取り組みは全体の80%を占め、毎年回収率が高くなっている。
* 綾瀬市内小中学校15校のうち、13校が自主的に回収活動を展開。
   PTA活動であったり、生徒会活動であったり、委員会活動であったり・・・と様々。
   天台小学校・・・・・学校保健委員会で対応。
              年間1100個近くのトイレットペーパーと交換している。
              子供たちが『お知らせ』を作成し保護者やPTAに依頼したのが始まり。
              別に暮らす祖父母との交流にも役立っているとのこと。
   寺尾小学校・・・・・PTA(成人広報委員会)で対応。
              年間1200個以上の交換。
              クラス委員を設置、運動会や地域交流会でも回収している。
              子供と親と学校をつなぐコミュニケーション・ツールとして役立っているとのこと。
   綾南小学校・・・・・委員会を発足。
               ペットボトルのキャップが何になるのだろう・・・。という疑問がきっかけ。
               17年度から回収を開始。

 


☆ ペットボトルキャップの現状
綾瀬市では、ペットボトルと分別するように支持され『容器包装プラ』として排出を促されていますが、実際には『小さ過ぎてプレス加工時にこぼれてしまう』ことがほとんど。可燃ゴミとなってしまうものが100kg/月(個数で約4000個)。
ペットボトル本体のリサイクルは具現化され、リサイクル率も問われるようになっていますが、キャップの処理(?)については、論じられることはありません。
綾瀬市のペットボトルの排出量は21t/月(本数で575,000本)、小中学校・市民協力で回収され『ゴミとならないキャップは72,500個/月。大まかな計算でも498,500個/月が燃やされていることになります。
神奈川県内の市町村の分別も、約半分の市町村が『燃せるゴミ』とし、『容器包装プラ』としている市町村でも、綾瀬市と同様のことが予想される。
CO2の削減が叫ばれ、原油の高騰が続く昨今、『小さいペットボトルキャップの子供たちを動かす大きな力』に、子供たち参加の『地球救済プロジェクト』が考えられないだろうか。

☆ 選別(色分け、種類別、汚れ等)の意義
障害者の業務訓練に訓練効果が認められるのではないか・・・と思われる現象が表れる。
障害者の『不安』や『心配』を取り除き『自信を持つ』きっかけになったり『やる気』を促し、作業のレベルアップにつながる等、どちらの状況においても効果的なものが見られる。
  *選別作業において、ペットボトルキャップの色分け等の作業工程を経    て通常選別業務についた障害者と、色分け作業なしで業務についた障害者では、選別の正確さや作業ムラに明らかな差が見られる。
  *慣れない状況に自身の身を置いている中、ペットボトルキャップという
  見慣れたものから作業に入れるので『不安』が少なく、特に色別作業は、認知し易く、『続けてやりたい』という『継続効果』もあると思える。

*国立名古屋大学に資料を送り専門家の意見をまとめて頂いています。


☆ 地域福祉活動への展開
精神障害者や知的障害者の社会適応訓練事業所として障害者を受け入れ、実習を随時・継続的に実施している。
通勤可能な障害者には、軽作業実習として期間を決めずに受け入れ。
障害者の雇用に関して『働ける場所・仕事の創作』を展開。
他市町村と違い、資源物の分別回収が*『ヤード方式』で行われるため、選別作業を障害者の状況に合わせて『働ける仕事』として提供できる。
 *ヤード方式とは
     回収した資源物を1箇所に降ろし、選別・解体行程後納品売却する方法。
     安定的な高品質な状況で納品できるため、評価が高く、相場価格で取引される
     資源物のリスクを品質でカバーしている。
子供たちの集めたペットボトルキャップの選別作業やトイレットペーパーの個包装作業を地域作業所へ発注。
各作業所の参加意欲を促し、自立に向けてのステップアップを図る。


☆ 今後の展開について
継続的に小中学生の活動を支え、『キャップ100個とトイレットペーパー1個を交換する』事業を進めて行きたい。
綾瀬市外の小中学校の参加を実現したい。(神奈川県愛川町、二宮町他の参加依頼が現実的にあるので、子供たちに参加させたい)
原料となった『ペットボトルキャップ』を『付加価値の高い素材」として売却したい。(子供たちの集めたキャップを、障害者が選別・加工することで、障害者の社会適応訓練や自立支援につながるものとしての価値)
認証マークをつけ、『ブランド』として確立させたい。
『ペットボトルキャップから何が出来るのか・・・。どんなことが出来るのか・・・』という子供たちの疑問や質問、希望に応えたい。
<例>ファーストフード店のトレイや学校教材(算数セット等)・・・。
     実際の子供たちの声を反映させた展開にしたい。


情報提供に当たっては綾瀬市リサイクル共同組合様の協力を得ております。

リポート 2006/08/05 



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